【はちみつ文庫】 危険な遊園地 4 【R-18】
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□ 危険な遊園地   □

危険な遊園地 4 【R-18】

 2人は少し早めに『ケマルの宇宙大冒険』のアトラクション前に着いた。
 列に並びながらアレックスは、ルシガに発情されて嬉しくて堪らなかった。後ろから抱き締められ、髪にキスをされると思わず声が出てしまう。
「あん。ルシガ……」
「アレックス……」
 いつもならルシガが人前でこんなことをするなんて、考えられない事だった。それが今は列に並んでいるどのカップルより、ベタベタアツアツにしてくれてるのだ。顔を後ろに回して「キスして……」と言うと、ルシガは唇を重ねてくれた。
 これだけでも十分幸せなのに、今からアトラクションで夢のようなセックスをする。しかもそれには『永遠に離れない』と言う、ご褒美が付いているのだから、アレックスは幸せいっぱいだった。
 しかし乗り物に乗って安全バーが降りた時、その夢は破れた。機具に固定された身体は、何一つ身動きがとれないのだ。これではセックスは愚か、キスすら出来ない。
「嫌ぁ~、これを外して~! アタシのセックス~!」
 アレックスの叫び声も虚しく、アトラクションは動き出した。

『ケマルの宇宙大冒険』のアトラクションが終わり、館内から出て来ると、ルシガは「トイレに行こう」と言った。
 アレックスは「嫌よ……永遠の契りが、トイレで結ばれるなんて……」と言ってしまった。
「永遠の契りだと? どう言う事だ?」
「えっと……その……」
「言え、言うんだ!」
 抑圧された性欲の為か、ルシガはいつもの十倍怖かった。そのルシガに詰め寄られ、アレックスはついに本当の事を言ってしまう。
「占い師のマンダールのところに行ったの……」
「あのインチキ占い師の所にか?」
「インチキじゃないわよ! みんな当たるって言ってるわ!」
「それで何って言われたんだ?」
「二月十四日に遊園地でセックスしたら、私とルシガは永遠に離れないって……」
「馬~鹿! それは遊園地でそんな事が出来ないと踏んで、言っているんだ!」
「だって……」
「そんな事でお前はここに連れて来て、媚薬まで飲ませたのか?」
「……」
「馬鹿馬鹿しい! 一人でトイレに行って処理してくる!」
 ルシガは怒ってそう言うと、背中を向けて歩きだした。
「待ってっ!」とアレックスは、その背中にしがみ付いた。
「放せ」
「だって……心配だったんだもの。……ルシガは所詮ノーマルだから、いつか女の人の所に行くって……心配で……心配で堪らなかったんだもの……」
「……」
「1人でいると時々考えるの……そんな日が来るんじゃないかって……そしたら、怖くって……」
「……それで占いに行ったのか?」
 アレックスはルシガに張り付いたまま、頷いた。
「お前は馬鹿か」
「ごめんなさい……」
 ルシガは一瞬、何かを考えている様だった。
 そして「……付いて来い」と言うと、ルシガはアレックスの先を歩き出した。

 少し歩くと園内の片隅に、忘れ去られたような古いメリーゴーランドがあった。ケマルが付いていないので、人気がないようで、係員が一人ポツーンと立っているだけだった。
 ルシガはその係員に近寄ると「私は魔道師だ。このメリーゴーランドに魔物が住み着いている!」と言った。
「今から魔物を払うから、ここをシールドするぞ、いいか?」
「ひえ~~~、魔物ですか? どうぞどうぞ」
「出来るだけここから離れていろ。客も近づけないようにな!」
 そう言うとルシガは、メリーゴーランドに黒いシールドを張った。外からは何も見えないが、中からは黒いベールに透けるように外が見える。
「ルシガ……」
「さあ。おいで」
 ルシガに誘われるまま、アレックスはユニコーンに乗ろうとした。
「裸にならないと、出来ない」
「えっ? ここで?」
「それが望みだったんだろう?」
 アレックスは頷くと、恥じらいながら服を脱いだ。いくら向こうからは見えないと言っても、こちらからは遠巻きにこちらを見ている人々が見える。
 服を脱ぎ終わると、アレックスは白い肌を赤く染めながら、ユニコーンに乗った。
 ルシガも服を脱ぐと、アレックスの後ろに座る。
「準備はできてるか?」
「ええ……さっき、アトラクションの待ち時間に……」
「ユニコーンに、もたれ掛って」
 アレックスがユニコーンにしがみ付くと、メリーゴーランドがゆっくりと動き出した。
 上下しながら景色が緩やかに流れて行く。普通より魔法で速度を落としている様だった。
 ルシガはアレックスに覆い被さって来た。アレックスの花の様な蕾に、ルシガの逞しいそれが触れる。
「……あんっ……ルシガ」
「時間がない。挿れてもいいか?」
「ゆっくり入れて。貴方のは大きいんだもの……お願い、優しくして」
「可愛い奴だ……力を抜いて」
 ルシガのそれは、ゆっくりと入って来た。くびれを入れ終わると、その後が辛かった。ルシガはアレックスを引き寄せるようにそれを挿れていった。
「あっ。ああああっ!」
 軋むようにして入って来るそれを、アレックスは出来るだけ力を抜き受け入れた。セックスに慣れたアレックスでも、愛撫されずに極太の物を差し込まれると、身体に痛みが走った。
 ルシガがアレックスを膝に乗せると、アレックスが小さく叫んだ。ユニコーンが下がる瞬間を利用して、ルシガのそれがやっと全て収まった。
「はぁぁぁ……」アレックスが大きな溜め息をつく。
 ルシガは動きやすくするため、アレックスの中でそれを回した。
「ひぁっ……」
「大丈夫か?」
「だい……じょうぶ……」
 徐々に余裕が出来ると、ルシガはアレックスの腰を持ち、動かし始めた。
「はぁっ!あっ。あっ。ああぁ……っ」
 痛みが快感へと変わる。メリーゴーランドの幻想的な光の、中景色が流れ。ロマンチックな気分がアレックスの胸を疼かせた。
「あっ……ねえ、ルシガぁ……幸せ……ぁんっ。」
 ルシガはずぶずぶと、激しく腰を動かし始めた。
「……あっ……あっ……いい……ルシガぁ!」
「くっ……アレックス、堪らない……」
 ルシガはアレックスの蕾を散らしながら、その胸を弄んだ。小さな尖りを摘ままれる度に、アレックスのそれがルシガをきつく締めつけた。
「あぁんっ。……んっ……んっ……んっ」
「アレックス……すまない。達きそうだ……」
「あんっ。アタシも……んっ。……あっ。はぁあああっ!」
 さらに激しく突かれ、アレックスの蕾が花咲いて、散った。それと同時にルシガの白濁が彼の身体に注ぎ込まれた。
「ルシガ……まだ欲しい」
「ああ、私もだ。だがここではもう、無理だ」
 アレックスが外を見ると、人だかりができていた。その中に例の警備員もいた。
「どうしよう……ルシガ」
「大技を使うしかないな」
 そう言ってルシガはい服を持ってアレックスを抱きしめると、呪文を唱え始めた。2人に身体は光となりシールドを突き抜けて飛び去った。

 アレックスが気づくと、2人は彼のマンションのベッドの上にいた。どうやらルシガは飛翔光という技で、2人の身体を移動させたようだ。
「ルシガ、すごい!」そう言ってルシガに抱きつくと、彼はぐったりとしていた。
「ルシガ? どうしたの?」
「飛翔光は体力を消耗するんだ。悪いが……寝る……」
「ええ、ちょっと待って! アタシの火照った体はどうなるの?」
「ぐぅぅ~」
「ルシガ、ルシガったら!」
 どんなに叫んでも、ルシガは夜中まで起きることはなかった。

 アレックスが真剣な表情でパソコンを見ていると、ルシガが起きたらしく、リビングに入って来た。
 慌てて開いているウィンドウを閉じようとしたアレックスの手を、ルシガが止めた。
「何を見てるんだ?」
「何でもなーい!」
「嘘つけ、見せろ」
 ルシガは強引にをパソコンを取り上げると、そこにあった記事を読みあげた。
「二月十四日……ケマルランドはカップルで大賑わい……って、な……なんだこれは!」
 ルシガは画面にある画像を見て、再び叫んだ。
「ふんぎゃ~っ!」
 そこには『ケマルの宇宙大冒険』に並ぶカップル達が何枚もUPされていた。その中で人一倍ベタベタとしていて、大きく写っていたのが、ルシガとアレックスだった。
 顔は暈《ぼか》されているものの、見る人が見れば一発で2人だと判る画像だ。ルシガとキスしている瞬間を、取材に来ていた記者に盗み撮られたらしい。
 みるみる怒りで顔が真っ赤になるルシガを見て、アレックスは言った。
「これ……魔法で何とか出来る?」
「できんことはないが、魔法省の許可がいる……それに、これは大手の新聞社の記事だから無理だ」
 ルシガは吐き捨てるように言うと、ギロリとアレックスを睨んだ。
 アレックスは口ごもりながら「もう一つ記事があるんだけど……」と、キーボードを叩いた。
 出て来たのは『淫乱魔道師を捜査中』と言う記事だった。
 そこには魔物が出たと、メリーゴーランドにシールドを張り、セックスをしたらしい魔道師の記事が書かれてあった。遺留品である体液からDNAを検出し、犯人を割り出すと書いてある。
「うぎゃ~~~っ! 後始末をし損ねていた!」ルシガの目に涙が浮かんだ。強壮剤で血が股間に集中し、うっかりしてしまったようだ。大魔導師にあるまじき失敗である。
 丁度その時、まるでその風景を見てるかのように、アレックスの部屋の電話が鳴った。アレックスが電話に出ると、かけて来たのはメイサンからだった。ルシガに変わるように言われ、受信機を渡す。
 ルシガは「ああ」を5回続けて言うと、電話を切った。
「メイサンは何って言って来たの?」
「ケマルランドからDNA照合の問い合わせが来たので、極悪な黒魔術師が犯人だと言ったそうだ」
「良かったじゃない!」
「何が良かっただ! メイサンに借りが出来たんだぞ! おかげでまた大魔道師協会の慰安旅行に、出なければならなくなったじゃないか!」
「いいじゃない。慰安旅行なんて、アタシが行きたいくらいよ」
「何がいいもんか。3年前の慰安旅行で遊園地に連れて行かれた時、どんなことが起こったかお前は知らないから、そんな事が言えるんだ」
「何があったの?」
「魔法学園の校長が二日酔いでジェットコースターに乗って、吐きまくったんだ。ぐるぐる回る度に吐くから、ジェットコースターの中は阿鼻叫喚だった……おまけにその後、その場にいた他の客の記憶を消して回るのが、どれだけ大変だったことか……」
「……壮絶ね」
「ああっ……またあの爺らと旅行に出ないといけないなんて。これも、それも、あれも、どれも、みーんなお前のせいだからなっ!」
「ごめんなさい……お詫びに今日は何でもしていいから♡」
「するかーっ!」
 ルシガの怒鳴り声が、アレックスの喘ぎ声に変るまで、そう時間はかからなかった。



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Date:2011/04/21
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