【はちみつ文庫】 危険な遊園地 1 【R-15】
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□ 危険な遊園地   □

危険な遊園地 1 【R-15】

この小説はBH.ccブログの神無月ふみ様が『プロローグ』を書いて下さって、その続きをねむりこひめが仕上げると言う、書き方をしています。
ちなみに2人は打ち合わせを全くしていません。キャー!
***************************までが、神無月ふみ様のパートです。






「ルシガ、遊園地へ行きましょうよ」
 アレックスは思いきって言ってみた。
 最愛の恋人であるルシガは、普段よりも三倍ほど鋭い目になったあと、不快そうに眉を寄せた。
 ルシガは、腰まで届く長い黒髪と切れ長の目が印象的な、美貌の青年である。身長が一八七センチのアレックスよりも、さらに高く、均整の取れた体つきをしている。
 闇夜を思わせる黒衣が似合うため、悪魔的だと言う者も多い。黄金色の髪を持つ、天使のようなアレックスが側にいるせいで、よけいに悪魔のように見えるのかもしれなかった。しかしアレックスにとっては、やさしくてセクシーな恋人である。
 眉を寄せるルシガも本当に綺麗だとアレックスは思うが、いまは見とれている場合ではなかった。
「遊園地、楽しいわよ。一緒にメリーゴーランドに乗って、アイスを食べながらパレードを見て、夕日の見える観覧車の中でキスしたりするの。ほら、ステキじゃない?」
「お断りだ」
 ルシガは吐き捨てるように言う。
「遊園地など、ろくでもないところだ。あんな忌まわしい場所、二度と近づきたくもない!」
「あん、意地悪……」
 アレックスは切なげに言ってみたものの、断られることは予測済みだった。
 ルシガが遊園地行きを承諾するはずがない。何故なら遊園地に悪い思い出があるからだ。
 数年前、魔法省の有志が、ある遊園地へ慰安旅行に行った。ルシガも、事務次官であるメイサンに連れられて、渋々参加したのだが、参加者の誰もが実情を語りたがらないほど悲惨なことに巻き込まれたらしい。
 語られないがゆえに憶測を呼び、いまでは「参加者の一人が誘拐され、アトラクションの最中に本物の黒魔術の儀式をされてしまい、帰らぬ人となった」と、まことしやかに噂が流れている。
 大魔道師であるルシガがついていながら、死人の出るような黒魔術の儀式が遊園地で行われることはありえない。少なくともアレックスは信じていた。
 だがそれ以来、魔法省で「遊園地」という言葉が禁句になっているのも確かである。ルシガ自身、遊園地の映像がテレビに出るだけで、即座にスイッチを切るほどだ。
 しかしアレックスは、なんとしてでも遊園地へ行きたかった。
「アタシと行ったら、嫌なことも忘れるわよ。ねえ、二人で楽しい思い出を作りに行きましょうよ」
「お前が急に遊園地へ行きたがるようになったのは、こいつのせいだろう?」
 ルシガが一枚のディスクを取り上げた。
「あら、バレちゃった?」
 アレックスは照れ笑いした。
 先日アレックスがレンタルしてきた、青春映画である。恋人同士が夜の遊園地に忍び込み、ロマンチックで刺激的なデートをするエピソードが印象的だった。
 見ているだけで、胸が高鳴ってくるような官能的なシーンがたくさんあり、どうしても同じことをやってみたくなったのである。
「私はジェットコースターに乗って、するのは嫌だぞ」
 ルシガが釘を刺してきた。どうやらルシガも、いつの間にか映画を見たらしい。

*************************************************

「どうして? ジェットコースターでやったら、きっと気持ちいいわよ」
「お前はどこまで丈夫なんだ。私のが折れたらどうするんだ。痛くて死んでしまうに決まってるだろ!」
「ルシガの意気地無し……」
 しかしアレックスには、どうしてもルシガを遊園地に連れて行かなければならない理由が、もう一つあった。
 ルシガが「インチキだ」と言う、今話題のカリスマ占い師に、2人の恋愛運を秘密で占ってもらったところ「今年の二月十四日に遊園地でセックスすると、2人は永遠に離れられなくなる」と言われたのである。
 その為に映画を買って、イメージトレーニングまでしたのに……何が何でもルシガを公園に連れて行かなけばならないと、アレックスは思った。
その時、彼の目が妖しく光った。
「わかったわ。もういいから……それより、せっかく家に来てくれたんだし……ね」
 流し目でルシガを誘い、ズボンのファスナーを開く。取り出した愛しい物は、普段のままでも口に含み切れないくらいの大きさがある。淫靡な音を立ててそれを啜り、舌で弄ぶと、どんどん固さを増し大きさも膨らんでいく。
「ぁあん。……すごい」と言いながら、ディープスロープで締め付けると、ルシガが声を漏らした。
「……くっ」
「ねぇ……いい?」
「ああ……」
「もっとして欲しい?」
「ああ……」
「遊園地に行きたい?」
「ああ……」
「やったっー!」
アレックスは両手を上げ、ガッツポーズをした。
「ち……違ーうっ!」
「違うってどう言うこと? 嘘をついたって事? ルシガはアタシとしてる時に、いつも嘘を付いているの? 愛してるって言ったのも嘘? あんな事も、こんな事もしたくせに!」
「いや、違う。そんな事はない」
「じゃあ、遊園地に行くわよね?」
「えっ?」
「行くわよね?」
「……」
「行くの? 行かないの? 愛してるの? 愛してないの?」
「……わかった。行けばいいんだろう、行けば!」
 アレックスはルシガに抱きついて「だからルシガって好きー!」と叫んだ。ルシガが一度口にしら、必ず実行してくれる事を知っているからだった。
「嵌めたな」と言うルシガに、「いやん。今からハメてもらうのよ」と言うと、アレックスはルシガをソファーに押し倒した。



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Date:2011/04/16
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