【はちみつ文庫】 砂漠の王妃は美青年 3 【R-18】
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□ 砂漠の王妃は美青年!?  □

砂漠の王妃は美青年 3 【R-18】

『きゃ~っ! 来ちゃったわ~、どーしよう……!』

 アレックスの心臓が、早鐘のように鳴った。
 ベッドには幾重にもヴェールが垂れ下がり、自分自身もヴェールを付けているので良くは見えないが、王は大柄のようだった。

『ハゲデブ、ハゲデブ……』

 アレックスの呪文が2つに変わる。
 王は何のためらいもなく天蓋のヴェールを払い除けると、ベッドに上がってきた。

「待ちかねたぞ」

 ベルベッドのような低く艶のある美しい声だった。
 そしてアレックスの隣に座ると、そのヴェールをたくし上げた。

 2人の視線が合った瞬間……

「ほぉ……なんと美しい……」

 王が溜め息交じりの声を漏らした。

 そしてアレックスは……

『ちょっと待ってー! 何? このいい男は?』

 と、先程とは別の意味でその心臓を早らせていた。

 やや浅黒い肌に、目尻の切れあがった濃紺の瞳は、長い睫毛がその周りを取り巻いており、芸術作品のように美しかった。
 それに高い鼻と、形の良い唇がバランス良く配置された美男である。
 豊かな長い黒髪は、三つ編みにまとめられ、大きなシャツの様なナイトウェアー越しにも、その広い肩幅と、熱い胸板が感じ取れた。
 その上、中東の男には珍しく、髭を蓄えていない。
 少し野性味があり、知的にすら感じるこの男の美貌に、惹かれない女はいないだろう。
 いや、男であるアレックスですら、その男ぶりに腰が砕けてしまいそうになっていた。

『この人になら抱かれてもいい……いえ、むしろ抱かれたい……♡ 』

 現在恋人のいない彼の考えは、この瞬間に180度変わった。

 王はそんな彼の心情も知らず、その顎を親指と人差し指で持ち上げると、唇に接吻をした。
 荒々しいが、絶妙な舌使いに、アレックスは腰が抜けそうになった。

「うん……んっ……」思わず声が漏れてしまう。

 快感から身体が自然に動き、大きく開いたスリットから、脚がはみ出してしまった。

「ふっ……。可愛い奴だ……」

 王はそう言うと、その脚に顔を近づけ、内踝を舌でなぞった。

「ああ……っ」

 丹念に踝を舐めあげると、次第に唇を上に這わせていく。

「あっ……ダメ……ああ……っ」

 アレックスは内股を押さえて、抗った。
 その行動が、王の身体に火を付けた。

「いや……んっ。ぁ……っ。許して……」

 王の唇はふくろはぎを通り、内腿へと進む。

「あっ……。ダメ! ダメっ!」

 アレックスの手を外させると、王は強引にその脚の間に入って来た。

「あんっ……っ!」

 舌は内股を通り、股間に辿り着いた。

「……?」
「……」
「な……何だ? こ……これは?」
「……だからダメだって、言ったのに……」
「そ……そなた、お、男か?」

 王は飛び起き、その身体が後ずさる。

「そうよ。悪い?」

 アレックスは開き直るしかなかった。

「男が私の寝所で何をしておる?」
「何って、貴方が呼んだんじゃない」
「まさか……男だったとは……。おのれ、諜報部長め、成敗してくれる! 女官長も同罪だ!」
「何言ってるのよ、自分で間違えたくせに」

 王のあまりの無体さに、アレックスは思わず本音を口にして、しまったと思った。

「何だと?」

 睨みつけてくるその眼差しは、先ほどとは打って変わり、冷酷そのものだった。

『虎に喰わされる!』

 アレックスは瞬時に思った。
 しかしどうせ殺されるのなら、やれるだけの事をやってみて、殺された方がましだ。
 そう考えて、アレックスは王に向かって言った。

「何よ、ハーレムには3千人の女がいると言うのに、男は抱いたことはないの?」
「何だと?」
「それとも……男相手じゃ、自信がないのかしら?」
「何っ?」

 王の表情は、今にも喰ってかかりそうな虎のようだった。
 アレックスはしまったと思ったが、賽の目は振られたのだ。

「悔しかったら、抱いてごらんなさいよ!」
「貴様っ!」

 そう言うと同時に、王はアレックスを引き倒した。
 身体が前のめりになり、尻が王の目の前に向いた。
 王はスカートを捲り上げると、乱暴に下着を剥ぎ取った。
 白桃の様な美尻が王の目に映る。
 
 正直、王に男性経験はなかった。
 しかし負けん気の強い王が、それを言う訳がなかった。

『とにかく尻に挿ればいいのだろう』

 そう思った王はナイトウェアーをたくし上げ、立派な一物を取り出すと、その尻に差し込もうとした。

「きゃーっ! いや。ダメっ!」
「何を今更。お前が誘ったのだぞ」
「違う。いきなり挿れたら、血が出ちゃう!」
「かまわぬ」
「そっちがかまわなくても、こっちはかまうのよ!」

 アレックスは王を突き飛ばした。
 王の上体が崩れ、下半身があらわになった。

 ごっくん。

『こ……こんな物、挿るかしら……?』

 その猛り立った巨大な物に、彼の額に汗が流れた。

「だ……だいたい、人を抱くときに服を着てるなんて失礼だわ」
「注文の多い奴だ」

 そう言うと、意外にも素直に王は服を脱いだ。
 裸になった王は、たくましい筋肉を持っていた。
 そして「服まで脱がさせて、私を退屈させたらどうなるか……覚悟はできているのだろうな?」と、付け加えるのを忘れない。
 
 いろいろな意味で、アレックスの喉は再び「ごっくん」と鳴った。

 続いて彼も服を脱いだが、腰飾りだけが絡まって取れなかった。
 真っ白な裸体が、ヴェールに囲まれたベッドの上に輝く。

 アレックスはチューブを取り出すと、ジェルを指に着けそれを尻にあてがった。

「……? 何をしておる?」
「こうしてお尻を慣らしておかないと、挿らないのよ……」
「……退屈だ」
「音楽をかけて……」

 王がオーディオのスイッチを入れると、アラビアンな音楽が聞こえてきた。
 アレックスはそれに合わせ踊りながら、尻を慣らしていった。
 腰が揺れる度に、飾りがシャラシャラと音を立てて、この上なく色っぽい。

「うむ……」

 王は腕を組んで見ていたが、さきほどより顔が和らいでいるので、満足しているようだった。
 アレックスは自分がミュージカルスターを目指して、ダンスを習っていたことに感謝した。
 指が1本2本と入るうちに、次第に声が零れてくる。

「あっ……。んっ」

 ここまでくれば、後は楽しむしかなかった。
 どうせ死ぬのなら、この美しい王を食いつくしてやろうとアレックスは思った。

「まだか?」
「あんっ……まだ3本しか挿ってないもの……貴方のを挿るには、4本は挿れとかないと……ぅん……っ」
「……もう待てぬ」

 王はアレックスの身体を引き寄せると、唇を重ねた。
 喉に下を這わせ「なんと……透けるように白い……」と、その肌を褒める。
 それから後ろを向かせ、尻を高く持ち上げさせた。

「ぁん……。お願い。優しくして!」
「先程までの威勢は何処へ行った?」
「だって……そんな大きな物……怖い……」
「可愛い奴だ……」

 そう言うと、王はゆっくりと彼の中へ挿っていった。
 ミシミシと音を立てるような圧迫感が、アレックスの身体を貫いた。

「あ……ああ……っ」

 痛みを伴う快感に、涙が溢れた。

「お願い……ゆっくり……ああ……そう……」
「……っく……。きついぞ。身体を緩めよ」
「あ……ふぅ……」

 アレックスが息を抜いた瞬間に、王は強引に挿ってきた。

「あああああっ!」
「……くっ……。はぁ……。動くぞ」
「あっ。優しく。……ああ……っ!」
「なんと……。素晴らしい身体だ……」

 息も荒く、王はそう言うと、腰をこねるように回してきた。
 次第に尻が緩み、前後に腰を動かせるようになった。

「あっ……あっ……あっ……っ」

 アレックスの喘ぎ声が甘く響いた。
 王の腰の動きは素晴らしく、身体がとろけそうになる。
 経験が決して少なくないアレックスも、こんなに感じたのは初めてだった。
 その時、王のくびれが、アレックスの敏感な部分を擦った。

「あああああっ! んっ・・・っ!」
「……感じるのか?」

 アレックスは返事もできず、ただ頷いた。

「あんっ……あんっ……あんっ……!」

 その部分を重点的に責められ、涙がぽろぽろとシーツに落ちた。
 それでも王は責め続ける。
 激しく苛まれ、アレックスは悲鳴と共に、その意識を失った。




 ふと眼を開けると、王の顔が見えた。
 気を失ったアレックスは王によって、ベッドに横たえられたようだ。
 身体には、薄い羽根布団が掛けられていた。

「大丈夫か?」
「え……ええ」
「そなたは、感じやすいのだな」
「こんなのは……初めて……」
「……私もだ」

 王の瞳が優しく笑っていた。

「ねえ、名前はなんて言うの?」
「私のか?」
「ええ。アタシはアレックスよ」
「ルシガだ」
「ルシガ……」
「私を呼び捨てにするとは、どこまでも生意気な奴だな」
「……ねぇ、ルシガ。アタシ、殺されちゃうの?」
「私をここまで燃え立たせる奴を、殺したりするものか」

 そう言うと、王はアレックスに口づけをした。

「うん……んっ。ダメ。……また感じちゃう……」
「ふっ……。可愛い奴だ……」

 王は再び彼を求めた。
 こうして二人の夜は、いつ果てるともなく続いた。




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Date:2011/03/07
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