その夜、お城はまばゆく輝いていました。
ルシガが馬車を降り、城に入ろうとすると、警備兵が招待状を見せるように言いました。
しかし招待状は三匹の子豚が持って出たので、ルシガは持っていなかったのです。
「招待状のない方はお入りいただくことはできません」
「なんだとー! 私はルシガだぞ、中に入れんか!」
「そんなことを言われましても……」
「貴様ら、私の顔を知らんとはどういうことだ!」
入り口でわぁわぁともめていたら、ラビ―公爵夫人がやって来ました。
「何を騒いでいるの? ……まぁ、ルシガ! お久し振り」
「これは公爵夫人、相変わらずお美しい」
ルシガはかつて一夜のアバンチュールを共にした、公爵夫人の手にキスをしました。
「警備兵、この方の身分は私が保証します。招待状はどうしたの、ルシガ?」
「どうやら奪われたようです。盗人が城に侵入してなければ良いのですが……」
ルシガは、口からでまかせを言いました。
「まぁ大変! 警備兵よ、その者達を探し出し、捕らえるのです!」
ラビ―公爵夫人の言葉に、警備員がいろめき立っている間に、ルシガは城の中に入りました。
シャンデリアにはたくさんの蝋燭が飾られ、オーケストラが奏でる音楽と、人々の笑いさざめく声が聞こえてきました。
舞踏会が開かれている大広間にルシガが入ると、人々の視線が注がれました。
みなさんはもうお忘れになったかもしれませんが、ルシガは大変な美男子なのです。
長身で厚い胸板を持つルシガの姿は、どこにいても目立ってしまいます。
背中まである髪は漆黒に輝き、柔らかなウエーブを描きながら、さらさらと音を立てています。
整った顔の中で何よりも魅力的なのは、その切れ長の瞳で、視線が合っただけで倒れる貴婦人もいるほどです。
そんな中、ブー、フー、ウーが警備員に捕らわれていきます。
「た~す~け~て~」と、叫ぶ義親子に
「すまんな。後から助けるからな」
そう呟きながらルシガはガラスのパンツを脱がしてもらう、貴婦人を物色しました。
その姿を遠くから見つめる、海のように青い瞳があることも知らずに……。
「あぁん。なんて素敵なのかしら……」
この言葉を発したのは貴婦人ではなく、姫君の双子の兄であるこの国の王子でした。
王子の名はアレックス。
輝くやや長めの金髪に、透き通るような白い肌、南国の海を思わせるような青い瞳の美貌の持ち主でしたが、根っからの男好きでした。
王子はルシガを見ながら、よだれを垂らさんばかりになっていました。
「いやん。あの躰に抱かれたいわぁ。でもって、お尻をペンペンしたい」
王子には変な趣味もあるようです。
そんな王子を恥じて、国王は彼を表に出したがりませんでした。
日陰者の王子は、初めて見たルシガの虜になってしまったようです。
「なんとか近づく方法はないかしら? ……あっはん、そうだわ! 良い方法があるじゃない!」
王子はそう言うと、自分部屋に戻っていきました。
一方ルシガは、ガラスのパンツを脱がしてくれる女性を探していました。
せっかく寝るのなら、思いっきり色っぽい 美女が良いに決まっています。
『処女は面倒だし、手っ取り早くやらせてくれそうな女はいないかな?』
最低の男であるルシガは、そんなことを考えながら、にこやかに愛想を振りまいていました。
遠目で女の物色しようと窓際に来たとき、カーテンの後ろから声がしました。
「ちょっと、そこのお兄さん」
ハスキーなのに甘えたような声は、ルシガ好みでした。
ふと見ると高く結ったカツラを付けた美女が、スカートを捲り上げて、脚を出しています。
その白くなまめかしい長い脚に、ルシガは吸い込まれそうになりました。
扇で顔を半分隠しているところも、そそられます。
「ねえ、こっちに来て……」
やる気満々の美女の誘いを断っては、男が廃ります。
ルシガは、のこのこと 女の後をついて行きました。
やって来たのは、城の中の豪華な一室でした。
ロココ調にまとめられた寝室に入ると、明かりも付けずに二人は抱き合いました。
女の躰からは高貴な薔薇の香りが漂ってきました。
窓から入る月明かりの中、ルシガは女の唇を求めました。
愛らしい花弁のようなそれは、甘く、舌使いも絶妙で一気に気分が高まってきます。
互いの舌を求め合い、絡ませては吸て……を繰り返していると、股間がうずいてくるのをルシガは感じました。
ルシガは女の首筋を舐めながら、女に言いました。
「服を脱がしてくれないか」
「いやん、えっち。……でも、いいわ」
そう言うと女はなめらかな手先を使い、ルシガの服を脱がしていきました。
ジャケットをベストを剥ぎ取られ、ブラウスを脱がされると、月の光にルシガの逞しい胸が浮かび上がりました。
「あん。素敵」
女は胸筋の間を、舌で舐めてきました。
すぼめた舌先でくすぐられるように辿られると、それだけで躰が熱くなりました。
しかしこのままでは大事な部分が大きくなって、ガラスに押しつぶされてしまうかもしれません。
「先に、全部脱がしてくれ」
「せっかちなのね」
そう言って女がズボンを脱がすと、ガラスのパンツが現れました。
透明なそれは、夜空に広がる星々よりもキラキラと輝いていました。
そしてルシガの立派なそれは、キュウキュウにその中に詰まっていました。
女はガラスのパンツの上からキスをしてくれましたが、今はそれどころではありません。
とっとと脱いでしまわないと、大事な部分が圧迫死してしまうかもしれません。
「頼む。早く脱がしてくれ」
「あん。もっと楽しみたかったのに……いいわ」
そう言うと、女はガラスのパンツを脱がしてくれました。
「ふぅー」
大切な物がボロリとこぼれ落ちると、ルシガは大きな溜め息をつきました。
女は「恥ずかしい」と言いながら、指の隙間からそれを凝視しています。
ルシガは女を抱き上げると、そのままベッドへ倒れ込みました。
パニエを捲り上げ、その美脚を触ると、吸い付くような肌がルシガの心を蕩けさせました。
女は積極的にルシガ自身を握りしめ、指先で弄んでいます。
ルシガは女の胸に顔を埋めその香りを……香りが……ん? 香りが……
「パン?」
「いやん」
「何でパンがこんなところにあるんだ?」
「……だって胸がないから」
「貧乳など気にするな。貧乳には、貧乳なりの良さがある」
そう言い、コルセットを外したのですが……そこから現れたのは、度肝を抜くほどの平面な胸だったのです。
「……」
「……」
しかし色白は肌に、桜の花びらのような乳首は愛らしく『胸だけ成長不良だったんだろうな』と思ったルシガは、その尖りをチューチューと吸いました。
「あぁ……あぁん」
感度は良いようです。
月光の中でも、透けるように白い肌がうっすらと染まるのが分かりました。
甘い吐息を漏らされると、ルシガは俄然頑張る気になりました。
脚の間に手を差し込み、女の秘部に触れたとき、ルシガは懐かしさを感じました。
『あれ? これはなんだろう? ……そうそう。自分一人で悶々としたとき、慰めるあれのちょっと小さいやつ……』
……………………って、
「おいおいおいおいおい! ちょっと待て。お前、男か?」
「いやん。何を今頃言ってるの?」
「わぁぁぁぁぁあっ!」
大声で叫ぶと ルシガは慌てて服を掴み、その場を逃げ出していきました。
あっという間の出来事に、一人残されたのは――そう、例の王子でした。
王子が女装をし、ルシガを誘ったのです。
「……酷いわ。どうせ逃げるんなら、せめてやるだけやってから出て行ってよ。火照ったこの躰をどうしてくれるのよ!」
王子は声を上げて、泣きました。
泣くだけ泣いたら、ルシガが忘れ物をしているのに気づきました。
「これは……ガラスのパンツ……」
王子はパンツを手に取ると、言いました。
「あの男、絶対に探し出してやるわ。こんな恥をかかされて、ただはすませないから」
どうやらルシガの身に、恐ろしいことが起こりそうです。
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